超・長文です。
2016.08.28
うちのコントラバス教室の夏一大イベント、
「弾き合い会(ソロ)」が無事終了しました。
打ち上げでは大いに盛り上がりました!!
この夏、音楽合宿・演奏会を経験してきた生徒さん達。
その経験が、演奏からにじみ出ていました。
やはり、一人で黙々と練習しているだけよりも、色々な経験は力になりますよね~。
各人、リハーサル中の他人の演奏を聞いて刺激を受けているのが分かります。
それぞれ、どんどん良くなっていくのが見ていて好ましいです。
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弾き合い会が終了し
自分達の演奏録画を見て、各人課題を見つけていったようです。
その中で、「自分の音は健康的ではないのではないか」という発言した方がいらっしゃいました。
この方は最近「脱力・倍音」をテーマにして自分の演奏方法を検討していた方でした。
「上手い人は、脱力ができて、倍音が良く鳴っている。」
その結果
「弦を弓で押さえつけると悪いと思い、少し力を抜くようにしている」
という対応をしたそうです。
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ここで、私が思っている定義をずらっと書いてみます。
・レッスンで学ぶのは、音楽の基本。すなわち、主旋律(ソロ)も弾くようにしていく必要がある。
・ソロは、メロディなので、相手に伝わるように、一つ一つきっちり、芯のある音や音量を出す必要が出てくる。
「全ての音をしっかり出す」の意識が強い。
(大勢の前でマイク無しで話すのと似ている。)
・オーケストラでのコントラバスの仕事は、主に伴奏。
・伴奏を弾く時、他のメロディをかき消したり驚かせるような演奏はしないが、しっかり音を出す必要はある。
・すなわち必要な分だけ、しっかり楽器を鳴らす必要がある。
・プロオーケストラのベーシスト達は、「ソロ」で断トツに弾ける人たちの集団である。
・録音や見た目では楽そうに弾いているように見えるが、「しっかり弾く」習慣は残り、楽器の鳴りはきちんとコントロールされている。
「しっかり弾く」というのは、デタシェ・スタッカート等が明確に演奏されている等の事です。
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ということで、
「上手い人たちは、力が抜けてるよね~。もっと楽に弾いたら?」
等、楽器演奏の事情を半端にしか知らない人に言われて
本当に圧力を弱める方法で対処するのは少し違うのではないかと思います。
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弓から弦にかける圧力(重さ)
弦の長さ(押さえている個所から駒までの距離)
弓の毛の量や、スピード
によって、「丁度よく楽器が振動する ⇒ 良く鳴る」弾き方を習得・体感していきます。
「では、丁度良く楽器が振動するという事をどうやって会得していけばよいの?」
と当然疑問が起きると思います。
うちの教室では
「ロングトーン&スケール」
のようなエクササイズをこなしてます。
弾いていくうちに、だんだんとわかっていくといいね、という感じです。
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以下の文章は、私の「楽器を鳴らすための力の入れ具合」イメージです。
フライパンをガス台に乗せずに、支えている感じが「最低必要な力・・・脱力した感覚」です。
フライパンを振っている感覚が、楽器を弾くための体の使い方や、弓の感覚とどこか近いんですよね。
(イメージばかりですみません)
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板厚で重たい、直径の大きなフライパンを支えるのは、E線(4番線)を脱力して弾いているイメージ。
ぎゅっと持ち手を握っているわけでは無いけど、フライパンが落ちない程度にしっかり持つ。
三人分の中華野菜具材を宙に上げながら作るなどしますが
力づくでフライパンを振り上げると具材が崩壊するので、丁度良くやる。
少量で軽めの具材だったら、力のかけ方も変わってきますね。
その力の入れ具合、抜き具合が、ポイントという感じ。
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1~2人分を作るような、少し軽めで直径から少し小さめのフライパンはG線(1番線)のイメージ。
あまり力を入れて握らなくてもいい。作るのがラク。
フライパンを持っている手はずいぶん楽だけど、でも力を抜いているわけじゃない。
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料理や自分のコントロールのしやすから、フライパンを選ぶわけですが
「力を抜いて振った方が、いい料理ができるよ」
なんて言われて、力を完全に抜いたら、フライパンや具材が落下しちゃうわけじゃないですか?
だから、「必要な分だけ、フライパンをしっかり持つ」というのが必用かと私は思うのですよね。
全ては、そこから始まるという感じです。
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じゃ、「必要な分だけって、どれくらいよ?」となったら
ホールで音の輪郭がしっかり分かるくらいとか、楽器が正しく振動するくらいなど
ちょっと言葉では伝えづらいです。
「楽器の裏の裏まで鳴らして弾くんだ」とは
結構言われていることではあります。
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なので、楽器を正しく鳴らすための「ノウハウ」は、世の中にはあるかもしれないけど
やっぱり自分でフライパンを振って
「どの程度力を抜いて、最低限必要な力なのか」
なのか自分で体感しないとわからないと思うのです。
自分の身体感覚は、自分が一番分かるのだから。
だから、身体感覚がわかりやすい状況に置くことが大事かと思います。
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ダンベル使用しての、二の腕筋トレをする時のコントロール力が
弓の使い方と近いと表現されている方もいます。
力ずくでダンベルを上げ下げする時ではなく
「ゆっくりダンベルを上げ下ろしていく時の感覚・コントロール」
これが、必要な力は維持し、最低限の力でコントロールする力だ
という意見です。
私も確かにその感覚はあるなと思います。
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先の生徒さんの発言
「若手の音は立派で素晴らしかった」
というのは、まさにその通りで
部活や音楽合宿で、「一生懸命弾きまくっている」ので
楽器のコントロール・・・フライパンで料理・・・・に慣れているので
立派な音がしていたのだと思います。
勿論、無茶苦茶弾いていれば良い、という事ではありませんが。
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「倍音が鳴り響くように、汚い音を出さない、そっと丁寧に弾く」
と意識する方々が時々いらっしゃいますが
お客様は、自分と同じ場所に立っているのではありません。
舞台の向こうの客席にお客様はいらっしゃいますので
演奏している自分の耳元ではなくて、舞台の向こうで自分の音がどうなっているか、
を意識した方が良いかと思います。
「自分の耳を客席に持っていった感覚で演奏するというのは大事だ」
その感覚を身に付けるのは結構難しいですよね。
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私は、自分や友人たちの演奏を客席で録音したのを聞くことによって
自分の立っている場所の音の感覚、客席で聞こえる音の感覚を近づけていきました。
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やはり、何度も経験するしかないんだと、私は思っています。
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自分の演奏の出来・不出来を気にするのも良いけれど、それだけでなく
他人の演奏を見て、共感・感動できるのは、とてもいい事だと思います。
弾き合い会で、そのような場を提供できたのは、私にとっても嬉しいことでした。
また来年の弾き合い会が楽しみです。
演奏された曲
・ワーグナー マイスタージンガー序曲 前半・後半
・サン・サーンス 象
・マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナより間奏曲 F-dur
・シマンドル 30エチュードより10番
・ヘンデル 私を泣かせてください F-dur
・村井邦彦 翼をください C-dur
・J.S.バッハ アリオーソ G-dur 記譜より1オクターヴ高
・ボッテジーニ CONCERTO NO.2 a-moll
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